どんな絵本?
数々の優れた絵本を世に送り出しているイギリスの作家、ジョン・バーニンガムの作品
初版は1983年、改訳新版は2010年発行のロングセラー
「ねえ、どれがいい?」と問いかけが続き、子どもがどれがいいか選んでいく絵本
どれもこれも選ぶのが大変なものばかりで、おはなし会や読み聞かせがとても盛り上がります。
読み手も子どもも一緒に楽しめる絵本です。
作品情報
作:ジョン・バーニンガム 訳:まつかわまゆみ
出版社 :評論社
サイズ :30.2cm×26.3㎝
ページ数:32ページ
発行年 :1983年初版 2010年改訳新版
こんな方におすすめ
- おはなし会や読み聞かせで盛り上がる絵本をさがしている方
- みんなで楽しめる参加型の絵本をさがしている方
- 読み聞かせ初心者のパパ
どんなおはなし?
「ねえ、どれがいい?」と、もしもこんな状況だったらどれを選ぶ?と質問が続いていきます。
例えば「どれを食べる?」ではクモ、カタツムリ、ムシ、ヘビのどれを食べるか。
「どれに追いかけられたい?」ではカニ、ウシ、ライオン、オオカミのどれに追いかけられたいか、というふうに。
サル、コアラ、ブタ、ヤギの「どれと遊ぶ?」というような楽しい質問もありますが、たいていは「どれもいやだけどどうしても選ぶなら、、」というような究極の選択です。
そんな選択が次から次にやってきて、日常ではほとんどありえないこと(もの)の中から選ぶ楽しさが味わえます。
あさり目線
おはなし会や読み聞かせでみんなで一緒に盛り上がる絵本をお探しなら、まずこの絵本がおすすめ!
「ねえ、どれがいい?」の問いかけに対して、子どもたちはどれを選ぶかあーだこーだと悩み盛り上がります。
何歳くらいにおすすめ?
4、5歳からでも楽しめますが私は小学校低学年がベストだと思います。
究極の選択の内容も理解でき、想像力もありますし、まだまだ無邪気ですからとても楽しめます。
ですが中学年でも、なんなら息抜き的に高学年でも楽しめる絵本だと思います。
もちろん読み手の大人も十分楽しめますよ。
おもしろすぎるジョン・バーニンガムの想像力
それにしてもジョン・バーニンガムさんの想像力はおもしろすぎますね。
この絵本のなかにでてくるもの(こと)は、子どもたちが「これ一度やってみたい!」や逆に「これはぜったいやりたくない!」と思うものばかり。
どうしてこんなことが思いつくの? きっと一生懸命考えたというより、日ごろからこんなことがあったらおもしろそうと想像しているからでは?
そしてこのおもしろすぎる想像力を普通のストーリー形式の絵本ではなく、このような質問形式の絵本にしたところがこれまたすばらしいです!
ジョン・バーニンガムさんの絵本はどちらかというと優しい雰囲気の絵本が多いという印象ですが、この『ねえ、どれがいい?』はみんなでわいわい楽しめる絵本です。
ありえないことを思い切り楽しみましょう
表紙を見てみると男の子がブタと一緒にキックボードに乗っています。ブタが好きならきっととっても楽しいでしょうね。
ジョン・バーニンガムさんの絵は素朴で淡い色合いで独特の雰囲気があります。そしてどこかユーモラス。
それもあってか、この絵本に描かれているありえないことの数々もどこか楽しげで笑えたりします。
ヘビに巻かれるのも、サカナに飲まれるのもサイの下敷きも、ありえない、つらい、けどなんか楽しそう。
せっかくなのでこの絵本でありえないことを思い切り楽しみましょう!
ちなみに私が「どれがいい?」と聞かれて選ぶやってみたいことは、サンタクロースのプレゼントくばりの手伝い。
絶対にやりたくないことはライオンに追いかけられることです。
さあ、子どもたちは何を選ぶでしょうか?
読み聞かせのポイント
- 所要時間 約5~6分
- おすすめ年齢 6、7歳
おなし会や学校の読み聞かせで子どもたちの反応を見ながら読むと、時間は結構かかります。
最初の「ねえ、どれがいい?」の問いかけには控えめな反応だったとしても、だんだん盛り上がっていき、やがて収拾がつかなくなることもよくあります。
ですから私はこの絵本は、できるだけ読み聞かせの最後に読むようにしています。
なぜかというと、つかみはバッチリということで導入で読むのもありかもしれませんが、その後は子どもたちを少し落ち着かせる必要があるからです。
またこの絵本は、短い文章の繰り返しでお子さんと一緒に楽しめるので、読み聞かせ初心者のパパにもおすすめです。
「やってみたいこと」も「ぜったいやりたくないこと」も選んで体験できる『ねえ、どれがいい?』の世界をぜひお子さんとご一緒にお楽しみください♪