どんな絵本?
そらまめくんのたからものは、ふわふわのベッド。お友だちに貸してと言われてもけして貸すことはありません。
ところがその大切なベッドがある日なくなってしまい、、、そらまめくんとお友だちとのやりとりが楽しい、ほっこりする絵本です。
作品情報
作・絵 :なかや みわ
出版社 :福音館書店
サイズ :20×27㎝
ページ数:28ページ
発行年 :1999年
こんな方におすすめ
・3歳から楽しめる絵本をさがしている方
・お友だちとのかかわりに関する絵本をさがしている方
・ほっこり温かい気持ちになる絵本をさがしている方
どんなおはなし?
そらまめくんは自分のベッドをとても大切にしていました。そのベッドは雲のようにふわふわで、綿のようにやわらかいベッド。
友だちのえだまめくんやグリンピースの兄弟たちに「かして」と言われても絶対に貸すことはありませんでした。
ある日、その大切なベッドがなくなってしまいます。さあ大変。そらまめくんは必死に探しますが見つかりません。
それを見ていた周りの友だちは最初はそらまめくんに冷たく接しますが、そのうちかわいそうになってきて、自分たちのベッドを貸してあげます。
ところがそらまめくんがどのベッドに寝てみても、小さかったり細かったりでしっくりきません。
やっぱり自分のベッドじゃなきゃダメなんだと、そらまめくんは再びベッド探しへ。あきらめかけた時、思わぬところでベッドを見つけます。
さあ、どうする?そらまめくん!
あさり目線
まず表紙を見てください。月明かりの下、そらまめくんが気持ちよさそうにすやすや眠っています。
その幸せそうな表情からどんなに寝心地の良いベッドかが伝わってきます!
この絵本には、そらまめくんの他に、えだまめくん、グリンピースの兄弟、さやえんどうさん、ピーナッツくんといろいろな"豆"がでてきます。
このような豆が主人公の絵本は、少ないような気がします。
ですからこの絵本は3歳くらいの子どもがいろいろな豆を知る良い機会になるのではないでしょうか。
「こんな豆あるんだ」「食べたことあるね」と会話もふくらむかもしれません。
ではおはなしについてみていきましょう。
主人公のそらまめくんは友だちに「ベッドをかして」といわれても、決して貸そうとはしません。「かして」「いいよ」とはいきません。
そんなそらまめくんに対してまわりのお友だちは、そらまめくんがベッドをなくした時、冷たい態度をとります。
今までベッドを貸してくれなかったそらまめくんへ、ちょっと意地悪をするんですね。
ですがそのうち、まわりのお友だちはそらまめくんがかわいそうになり、自分たちのベッドを貸してあげます。やさしいですよね。
それなのにそらまめくんは貸してもらったベッドに対して文句を言い、またベッドを探しに出かけ、そしてついに意外なところでベッドを見つけることになります。
そして最後はベッドがもどり、そらまめくんとお友だちも仲直りしてよかったねと、ほっこりする終わり方です。
この絵本の中でのそらまめくんとお友だちの豆たちとのやりとりは、幼い子どもの世界でも実はよくあることに思えて、親しみが持てます。
つぎに絵を見てみましょう。
全体的に温かい雰囲気の絵です。そらまめくんやお友だちの豆たちが、笑ったり、困ったり、怒ったりと、表情豊かに描かれていてとてもかわいいです。
また豆たちの生活する世界の野原が小さな豆たちの目線で描かれているので、読者も小さくなって野原にいるような感覚になり新鮮です。
そらまめくんのお部屋というかベッドまわりも、カタバミのお花が可愛かったり、どんぐりの小物入れがあったり、朝露のたまる池があったりといい感じです。
そして一番の注目ポイントは、後半に登場する「うずら」です。
その大きさにびっくり!こんなに大きかった?大迫力です!
そらまめくんとお友だちの豆たちとのやりとりが、まるで幼い子どもたちの世界での日常のような『そらまめくんのベッド』の世界を、をぜひお子さんとご一緒にお楽しみください!