どんな絵本?
「がたん ごとん がたん ごとん」と黒い汽車が走ってきます。
すると「のせてくださーい」とお客さんが乗ってくる、この繰り返しの絵本です。
赤ちゃんはこの繰り返しが大好き!1987年に発行されずっと人気のロングセラー絵本です。
作品情報
作 :安西水丸
出版社 :福音館書店
サイズ :18×18cm
ページ数:20ページ
発行年 :1987年
こんな方におすすめ
・0歳から楽しめる絵本をさがしている方
・出産祝いの絵本をさがしている方
・赤ちゃんに人気のおすすめ絵本をさがしている方
どんなおはなし?
主人公の黒い汽車が、「がたん ごとん がたん ごとん」と走ってきました。
すると哺乳瓶が「のせてくださーい」と待っています。哺乳瓶を乗せて走って行くと、今度はカップとスプーンが「のせてくださーい」。
その後も次々お客さんが乗ってきて、着いたところは、、、あれ?ここだったの?
あさり目線
赤ちゃんは繰り返しが大好きです。この絵本は見事に赤ちゃんの特性をつかんでいます。
実際私も、自分の子どもが赤ちゃんだったころ読み聞かせていましたが、何度も催促され、繰り返し読まされた記憶があります。
なぜこの絵本はずっと人気があるのでしょう?
この絵本は1987年の発売以来ずっと人気があり、赤ちゃん絵本として売れ続けています。
ストーリーとしては黒い汽車が走ってきて、お客さんが「のせてくださーい」と乗ってくる、の繰り返しです。
「赤ちゃんは繰り返しが好き」と一般的に言われていますよね。実際私も子育てをした経験からそう感じています。
というわけで、ここであらためて「赤ちゃんはなぜ繰り返しが好きなのか」を調べてみると
- 赤ちゃん(子ども)は本能的に繰り返しが好き
- 繰り返すことにより様々なことを習得していく
- 同じ文章(言葉)を繰り返してもらうことで日本語を習得している
ということがわかりました。
なるほど、社会経験のほぼない赤ちゃんにとって、繰り返しを好み、繰り返すという行動は、成長していくために欠かせないものだったのです。
また、赤ちゃんや子どもは繰り返し読んでもらうことにより満足感を得て、言葉を覚え、語彙を増やしていくそうです。
これらの、赤ちゃんが繰り返しが好きな理由をみれば、「のせてくださーい」が繰り返えされるのこの絵本が、赤ちゃんに好かれるということが納得できます。
それに加えて「がたん ごとん がたん ごとん」という言葉の響きや、でてくるのが哺乳瓶やカップ、スプーンといった赤ちゃんになじみのあるものという点も、この絵本が赤ちゃんに人気がある理由だと思います。
大人にとってはちょっと苦痛なときもあるかもしれませんが、赤ちゃんに催促されたら赤ちゃんが満足するまで、繰り返し読んであげたいもですね!
最小限のことばで成り立つストーリー
この絵本は「がたん ごとん がたん ごとん」と「のせてくださーい」の最小限の言葉だけでものがたりが成り立っています。
赤ちゃん絵本ならではです。
そして絵ですが、私は初めて見たとき切り絵みたいだなあと思いました。とてもシンプルでいいですよね。
また絵を見ていて気付いたのですが、汽車の表情がお客さんを乗せるたびにほんの少しずつ変わっていくんですよ。
最初は普通の顔で、お客さんが増えていくと頑張る顔になって、その後ちょっと疲れたような顔になってと。
きっと重かったんだろうなぁ。
作者の安西水丸さんは、汽車がお客さんを運んで行って、終点は女の子のごはんのテーブルというストーリーを、「がたん ごとん がたん ごとん」と「のせてくださーい」の最小限の言葉だけで作り上げています。
安西水丸さんはイラストレーター、漫画家、エッセイストなどとしてもご活躍された方です。絵本もたくさん描かれています。とても才能のあった方です。
この『がたん ごとん がたん ごとん』は発売から35年以上たった今も赤ちゃんに大人気。
赤ちゃん絵本のトップに位置しています。
まようことなくおすすめ!
・「がたん ごとん がたん ごとん」と「のせてくださーい」の繰り返しが赤ちゃんの心をつかみます。
・言葉の繰り返しは赤ちゃんの日本語習得にも役立ちます。
・繰り返される安心感、何度も読んでとせがまれます。
赤ちゃんの絵本、何がいいかなと思われている方に、迷うことなくこの絵本をおすすめします!
『がたん ごとん がたん ごとん』の世界を、ぜひお子さんとご一緒にお楽しみください♪