どんな絵本?
朝起きてから夜寝るまでのこぐまちゃんの一日が、ユーモラスにが描かれています。
顔を洗い、ご飯を食べ遊んで、お風呂に入って寝る、という何気ない一日です。
子どもはこぐまちゃんに自分を重ねこぐまちゃんの一日を体験し、自分もこぐまちゃんのようにやってみようという気持ちを持つようになるでしょう。
生活リズムを整え、自立心、行動力、やさしさを育てる絵本です。
作品情報
作 :わかやまけん,もりひさし,わだよしおみ
出版社 :こぐま社
サイズ :20×21㎝
ページ数:22ページ
発行年 :1970年
こんな方におすすめ
・0歳からおすすめの本をさがしている方
・生活リズムを整える絵本をさがしている方
・自立心、行動力、やさしさを育てる絵本をさがしている方
どんなおはなし?
朝起きたこぐまちゃんは自分で顔を洗って歯磨きをして朝ごはんを食べます。
大好きなバターをつけたパンや目玉焼きをおなかいっぱい食べた後は、金魚ちゃんにも朝ごはんをあげます。
それからぞうさんやきりんちゃん、ぺんぎんたちと遊びます。
こぐまちゃんを先頭にみんなで並んでたったか、たったか行進していると、、、大変!きりんちゃんが転んじゃった。さあ、こぐまちゃんはどうするのでしょう?
あさり目線
オレンジ色の背景に黄色い服を着たこぐまちゃんの表紙がとても印象的なこの絵本は、1970年に発行され今も大人気のロングセラー絵本です。
こぐまちゃんの何気ない一日が描かれているだけですが、読んでみると長年愛される理由がわかる納得の絵本です。
こぐまちゃんの一日を通して描かれる、自立心、行動力、やさしさ
おはなしの内容はとてもシンプル。朝起きてから夜眠るまでのこぐまちゃんの一日がたんたんと描かれています。
子どもは、このこぐまちゃんの一日を通して、こぐまちゃんの自立心、行動力、やさしさを体験し、自分もこぐまちゃんのようにやってみようという気持ちになることでしょう。
では、こぐまちゃんの一日を見ていきましょう。
朝、こぐまちゃんが「おはよう」と起きてきます。まだちょっと眠そうですが、ちゃんと自分で起きられるなんてえらいですね。
そしてこぐまちゃんは自分で顔を洗い、朝ごはんを食べます。バターやはちみつをつけたパンや目玉焼きなどをおなかいっぱい食べます。
朝ごはんをちゃんとたくさん食べてくれるなんて親としてはうれしいものです。
それからこぐまちゃんはきんぎょちゃんに朝ごはんをあげます。
自分の朝ごはんはおかあさんが作ってくれました。きんぎょちゃんには自分が朝ごはんをあげるのです。
この場面でこぐまちゃんはおかあさんへの感謝と、きんぎょちゃんへごはんをあげるという責任感を感じているに違いありません。
しっかりと自分の役割を果たしているこぐまちゃん、とてもえらいですね。
さて次は遊びの場面です。こぐまちゃんはリーダーになります。
リーダーの印?に大きな帽子をかぶります。この帽子でリーダースイッチが入るのでしょう。可愛いですね。
ぞうさんやうさぎちゃん、きりんちゃんたちを並ばせて自分が先頭にたち行進します。
「たったか たったか たったかた」
ところが大変、きりんちゃんが転んでしまいます。ここでこぐまちゃんは結構意外なことをするのですが、こぐまちゃんの行動力とやさしさが出ている場面だなあと思います。
それからトイレでうんちををして、お風呂に入る場面になります。
この場面は、トイレトレーニング中のお子さんがトイレに興味を持ち、自分もこぐまちゃんみたいにやってみようという気持ちになったり、お風呂嫌いのお子さんがお風呂を楽しめるきっかけになったりするかもしれません。
そしていよいよおやすみなさいの場面です。一日を楽しく精一杯過ごしたこぐまちゃんは、ぬいぐるみたちといっしょにベッドに入ります。ぐずりもせずちゃんとおかあさんに「おやすみなさい」と言って。
こうして見てみると本当に子どものお手本のようなこぐまちゃんです。
ことばと絵の美しさ
まだ字が読めない0歳児からを対象としているこの絵本は、選び抜かれた美しいことばで書かれています。
リズミカルなことばを繰り返し聞くことにより、覚えて言えるようにようになるお子さんもいるのではないでしょうか。
読んでみると本当にそれぞれの場面、絵にぴったりのことばで書かれているということがわかります。
また絵はとにかく色が美しく鮮やかです。黒い輪郭線が描かれているためくっきりとしていて、こぐまちゃんの顔はオレンジに黒の目と、ぎゅっと結んだお口でなかなか個性的な表情をしています。
選び抜かれた美しい言葉とちょっと個性的な美しい絵がぴったり合い、長年に渡って愛され続ける絵本となっています。
こぐまちゃんの一日を通して子どもが自然に生活習慣に興味を持ち、生活リズムを整えることにつながる『こぐまちゃんおはよう』をぜひお子さんとご一緒にお楽しみください